てやんでえカメルーン〜青年海外協力隊の滞在記〜

青年海外協力隊2018年度3次隊。カメルーン派遣。コミュニティ開発。Les rapports du Cameroun.

おうち事情&完工式

◾️バチェンガのおうち事情


任地バチェンガではよく家の建設現場を見かけます。

 


どういうわけか、いつもどこかしらで家を建設しています。

 


そして、明らかに建設途中でほっぽらかされているような現場を見かけることも多々あります。

 


たまに建設が再開されているところも見ます。

 


これらは需要に基づいて建設しているのか、あるいは一旦建ててから売りに出すのかは現時点ではわかっていません。

 

 

 

バチェンガで現在よく建設している家の構造は非常にシンプルです。

 


日本にもよくあるようなコンクリートブロックを積み重ねてセメントで固め箱型を作り、屋根にトタンを乗せれば完成です。もう実写版レゴ。

 


我が家もまさしくこのタイプです。

 


窓やドアの枠には木枠を使っている場合もあれば、枠はなく単に窓用の空間は空けといて上辺には長いコンクリートブロック的なものを渡すだけのタイプも見かけます。

 

 

 

カメルーンで使っているコンクリートブロックの質は良いと言えなく、建設現場で見かける時点で中身がスカスカなブロックを見ることも多々あります。むしろ当たり前ってくらいに見かけます。(たぶん自分たちでコンクリートブロックを生産してます)

 


そのため、家の壁に釘を打ち込めばサクサク入っていきます。模様替えラクラク

 


カーテンを設置する際も壁に釘を打ち込みました。

 


むしろ脆いため釘がグラグラですぐ抜けそうです。まもなく抜けるってくらいの乳歯並みです。

 

 

◾️完工式

 


先日、大家マダムに導かれ建物の完工式に立ち会いました。

 


現場に行くと、住民たちが建物の周りでおしゃべりしながら建物が完成する瞬間を待っていました。

 


建物は三部屋横並びの長屋構造。

 


上記のようなレゴ構造のため、建設の最後の工程は屋根にトタンを乗せるという作業になります。

 


そうして屋根の据付が完了=建物が完成すると、トタンの上に乗っている大工さんの元に紙パックの赤ワインが渡されました。

 


そして、その赤ワインをトタンに流すと、トタンを伝いそのまま地面へと流れ落ちます。

 


これが建物の完成を示すらしいです。

 

 

 

建物の完成に伴い、徐々に住民たちの賑わいも大きくなっていくなか、完成ほやほやの建物の部屋の中に案内されます。

 


たくさん用意された椅子のうちの一つに座り、周りの住民たちと話していると、どこからともなく大鍋に入ったご飯とビールが用意されました。

 


ここバチェンガでは完工式は所謂ハレの行事のようで、こうしてみんなで集まり建物の完成をお祝いするという文化があるそうです。

 


もちろん全ての建物で必ずしもお祝いするわけではなく、その建物の重要度や施工主の意向によりけりといったとこらしいです。

 


今回の建物は近所の大きなカルフール(交差点)に面したものであり、そこにお店を入れて活用するという目的があるそうなので重要度は高そう。(三部屋あるので、おそらく3店舗分。)

 


ちなみにこのカルフールカメルーンの首都ヤウンデから極北州(読んで字の如くカメルーンの北端)まで行く際の幹線道路の分岐点となっています。

(この幹線道路は未整備の箇所が多く、そのうちの一部の整備をJICAがバチェンガ-レナ間道路整備事業というプロジェクトで有償資金協力しています。)

 

 

なお、ここのお祝いのための食事やビールは誰が用意してくれたのかは分からずじまい。(施工主(そもそも誰かわかっていない)かな?)

 


住民の話によると、このお祝いは非常にオープンなもので、例え横を通りすがっただけの通行人でもお酒や食べ物をふるまってもらい食べ終わったらそのまま帰る、なんてことも大歓迎だそうです。

 


現在、どういうわけか非常に厳しい財政難のため、ガチガチの節約生活をしている自分にとっては大変ありがたい機会だったため、大いにご厚意に与りました。任地生活以来ほぼ初めての牛肉、魚とビールでした。(どれも今の自分にとっては贅沢品で本当にご馳走さまという気持ち)

 

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↑振る舞われた食事。牛肉、魚のソースピーマン(唐辛子入りで少し辛いが美味しい)がけとプランタン。


ちなみに今回の建物、建設までの所要日数は4日間。圧倒的スピード感。