てやんでえカメルーン〜青年海外協力隊の滞在記〜

青年海外協力隊2018年度3次隊。カメルーン派遣。コミュニティ開発。Les rapports du Cameroun.

半日まるごとクッキング 〜オコック〜

 

 

カメルーンの食事(通称:カメ食)には現地の食材を使った様々な料理があります。

 


やはり外国に行ったら、現地の食材を使った現地の食事を食べて、現地の人と感覚を共有したいもの。

 


たった2行だけで現地現地と既に4回も使ってしまうくらい、食事を通じて現地の文化を理解することは楽しみの一つです。これで5回目。

 

 

 

ましてや任地は日本のように食材の種類が豊富なわけではありません。

 


それならば現地で手に入る食材を活かして如何に美味しい食事を作れるか、未知の食材や料理の可能性を探求してみようじゃないか!

 


などと、自分の中のポジティブが無駄に張り切っており、未知の食材や料理を発見するたびにとりあえず一回食べてみよう精神で今を生きています。

 

 

 

そんなフロンティアスピリッツの下、毎週日曜日を「(自分にやる気があれば)隣人にカメ食を教わるデー」として制定し、カメ食の作り方を覚えようと野心に燃えています。

 


ちなみに任地生活が始まりまもなく4ヶ月が経過しようというところですが、既に!3回も開催しています。野心(というかやる気)というものは気まぐれですね。

 

 

 

前置きが長くなりましたが、今回はその3回の成果のうちの1つ、「オコック( Okok / L’Okok )」という名のカメ食のレシピをご紹介致します。

 


これは「オコック」という名の葉っぱを使った料理で、葉っぱの名前がそのまま料理名にもなっています。

(オコックという呼び名はカメルーンローカルなようで、学名はGnetum afiricanumというらしいです。何の助けにもならない情報ですね。)

 


味付けは砂糖のみと甘いのですが、カメルーンではメインの食事として食べていて、自分もかなりハマっています。

 


露店などで鍋に入れて売られている様子もちょくちょく見かけるような比較的身近なメニューです。

 


オコックの葉はマルシェなどで簡単に手に入り、金額も安いです。マダムたちがオコックの葉を小さい包丁で器用にスライスして売っています。

 


マルシェではオコックの他にも緑の草葉系の食材を売っていることが多く、地面にシートを引いて売っているタイプの露店の端に見慣れない草の食材を見かけ「これは何?」と聞いたら「ただの雑草だよ」と返ってきたことがあります。紙一重でした。

 

 

 

以下、レシピです。

 

 

 

◾︎材料(自分が三日三晩オコックを食べ続けることになり、尚且つ近隣住民の分まで賄えちゃう分量)

 


 オコック

  ・ オコックの葉 たくさん

  ・落花生 たくさん

  ・パーム椰子の実 たくさん

  ・砂糖 ドバッとお好みで

 

 付け合わせ

  ・マニョックorバトン(主食として)

 

 

◾︎レシピ

 

 

1. オコックの葉を柔らかくなるまで蒸す。蒸してから臼で磨り潰す。(↓磨り潰したオコック)

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2. 落花生は煎り、薄皮を取ってからグラインダーでペースト状にする。(粗いピーナツバター的な状態)

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3. パーム椰子の実は鍋で煮た後、実を臼で潰してからザルに出し、いくらか水をかけながら実からジュースを絞り出す。その後、ジュースは鍋に入れ再び火にかける。(↓パーム椰子の実。赤い。)

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4. ジュースが煮立って泡が一通り出終わったら砂糖と落花生ペーストを鍋に入れる。(↓砂糖と落花生ペーストを入れ、鍋が落花生色になっている図)

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5. しばらく煮続けると水分が飛びペースト感が出てくるので、その時点でオコックを鍋に投入し満遍なく混ざるようにかき混ぜる。(↓オコックを鍋に入れた瞬間の図)

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6. 混ぜながら更に煮詰めるとオコックの色が浸透してくる。(↓マグマのような泡の吹き方をしている図)

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7. パーム油が上に浮いてきたら完成。(↓パーム油の赤が映える図)

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8.バトンドマニョックとともにいただく。(↓一緒に撮り忘れたので別撮りの図)

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完成したこのドロっとしたオコックをバトンもしくは蒸かしたマニョックとともに食べるのがスタンダード。

 


調理したオコックの葉に苦味はほぼなく、比較的ヨモギの感覚に近いかもしれません。お味は砂糖と落花生の甘みとオコックの草味が絶妙にマッチしていて、バトンと食べるとじわじわハマる美味しさ。

 


調理開始はお昼の12時半頃で、それをお昼ご飯として食べようと思っていたら完成したのは16時半頃でした。調理時間は約4時間。晩御飯でした。

 


しかも午前中を食材調達に費やしているため、実質1日がかりで作っています。日本では磨り潰す系の工程のものはミキサーなどでサクッと終わってしまうかもしれません。

 


なお、しれっと登場している「バトン(バトンドマニョック)」とは、マニョック(キャッサバ)を発酵させてから何かしらしたらできるというシロモノで、歯切れの良いモチモチ感があるものの、その独特の発酵臭のために好まれなかったりもする一品です。

 


自分はそれまでは特に好きでも嫌いでもありませんでしたが、この時大量生産されたオコックのお供に毎日食べていたら病みつきになってしまいました。ちなみにバトンを包んでいる葉っぱはバナナの葉。

 

 

 

ぜひ皆様も(それっぽいものを)作ってカメルーンを、バチェンガを、感じてみてください。