バナナ攻め
カメルーンではバナナは主要な農産品の一つです。
バナナはそこらへんでも生っているのを見かけることができ、現地の人たちは「自分の畑から収穫したんだよー」とでかい塊(全房というらしい)をドーンと軒先に置いてたりします。
それで、適当な塊に切り分けて町に出て売ったりしています。
↑これがでかい塊(全房)。バナナはこの塊の状態で木に生っています。自分の体感では10kg以上は優にあります。たぶん。
余談ですが、実際にはバナナの”木”というものはなく、木のように見えるものはバナナの”草”だそうです。
いわゆる「バナナの木の幹」に見える部分は実際は茎に当るようで。
↑これがバナナの茎の断面図。非常に繊維質で、水分を多量に含んでいてとても瑞々しい。感触はもう本当に茎(が大きいだけ)って感じで、木の幹のどっしりとした芯のある硬さとは異なり柔軟性を感じます。
なんとなく理科の植物の授業を思い出しますね。
あと断面に触るとめっちゃベトベトします。
カメルーンではバナナをどう食べるかというと、日本と一緒です。
ひたすら剥いて食べます。大人も子供もみんな大好きです。
そんな身近なバナナですが、引越しして数日程度経ったある日、自分の部屋をノックする大家マダムの姿が。
裏の家の人がバナナを売ってるよ、とのことでした。
任地ではプランタンは見つけてもバナナを売ってるところはまだ見たことがなかったため、喜び勇んで裏の家へ。
行けば、まだ緑色のバナナのでかい塊(全房)がいくつも置いていました。
もちろんそれを小分けにしてもらったものを買おうと思っていたのですが、値段を聞けば全房1つで1000FCA(約200円)との返答。日本円で考えるとめっちゃ安い。
それでもそんなには食べきれないので、小分けにしたら幾らくらい?と聞こうとした矢先、なぜか自分に代わって商談を取り纏めている大家マダム。
気づけば見事全房1つを買っていました。まるで業者の気分です。
全房は大家マダム・キッズとともにいそいそと自分のキッチン部屋に運び込まれ、収納し易くするためテキパキと小分けの房に分けられます。
キッチン部屋に出来上がる緑色の一角。その房のいくらかをさも当然かのごとく何も言わず持って去っていく大家マダム。
自分を連れ出しに来た大家マダムの魂胆を理解し、その去りゆく背中をただただ見つめる自分。
↑切り分けられたバナナたちの一部
そして今。
我がキッチンには堰を切ったかの如く、怒涛の勢いで一斉に黄色く熟し出したバナナたち。
腐らせないよう追われるように日々バナナをひたすら食べる自分。
徐々に傷み出したバナナに迫るコバエ。アリ。
眼前には尚も残るバナナ約30本。
そんなキッチンがここにはあります。