てやんでえカメルーン〜青年海外協力隊の滞在記〜

青年海外協力隊2018年度3次隊。カメルーン派遣。コミュニティ開発。Les rapports du Cameroun.

ヒーホー考察&シノワ検知器

 

◾︎ヒーホー考察

 

 

青年海外協力隊員のSNSやブログを見ていると、その国の人たちから「中国人」と呼ばれる、という情報を結構な確率で聞きます。

 


協力隊の選考を受ける際に、カメルーンに派遣されていた人のブログを探し読んでいましたが、案の定「シノワ(フランス語で中国人という意味)」か「ヒーホー(ニーハオが訛ったもの。音の響きがもう既におちょくっている感。)」と言われいつもおちょくられるという情報が書いてありました。

 


いまや中国人は世界中に散らばっているので東アジア人を見たら中国人と思うのは仕方ないと思うのですが、なぜ彼らはいつもおちょくってくるのか?という疑問がありました。

 


よく言われるのは、中国人はあまり現地の人に好かれてないので、協力隊員は中国人と勘違いされ揶揄されているという理由です。

 


とはいえ、実は交流したいだけで呼びかけ方がわからないのかな?とか、きちんと説明して中国人じゃないと分かれば止むのかな?などとも思っていたので、現地に行ってから実際に確かめるしかないなーと。

 

 

 

そしてカメルーンに来て2ヶ月が経過し、首都で1ヶ月、任地で1ヶ月生活してみて、やはりシノワシノワと道を歩くたびに言われます。老若男女問わず。

 


ただ、今思い返すと首都は人が集まるような場所でない限りあまり言われないかもしれません。首都なのでまだ外国人慣れしている人が多いということなのか、或いは単に分別のつくような人が集まっているということなのか。まあ子供はそれなりに言ってきますが。

 


任地では住民のシノワ攻撃が1度外に出る度に必ず何度もあります。

 

 

 

ちなみにカメ人の外国人に対する呼びかけ方はいくつかあり、他には「ブラン(フランス語で白人の意)」「アミーゴ(なぜかスペイン語)」「モナミ(フランス語でMy friend)」「オゥオゥ!(輩の呼びかけ方は万国共通)」です。「シノワ」と「ヒーホー」はおそらくアジア人に対してのみですが、人と近づくたびにこれらの呼びかけが繰り出されます。

 

 

 

カメルーンでは黒人以外の外国人が珍しいため、そもそも目立つわけですが、彼らの自分を見る目はさながら初めてエイリアンを見たかのようで、「怪訝そう」という言葉がぴったり。ちょっとショック。

 


そして3秒くらいは視線を自分にロックして、ものすごい勢いで凝視してきます。自分が通り過ぎようもんなら「目が追いかけてくる絵」みたいな状態です。

 


そんな環境の中で生活しているわけですが、なぜ彼らはシノワシノワとひたすらに言ってくるのか。

 


全然わかりません。

 


仲良くなったカメ人何人かに率直に疑問をぶつけてみても、揃いも揃って「外国人は珍しいからねえ」といった程度の回答。

 

 

 

もちろん動機には個人差が当然あるのでしょうが、そもそもなぜ呼びかけるのか?

 


呼びかけに対して「Bonjour(こんにちは)」と返事をすると「Ça va ?(元気?)」と返してくれるような人は、自分とコミュニケーションがとりたくて声かけてくれたんだな、と思い嬉しくなります。

 


が、そのようなケースは比較的少数で、「シノワ!」の呼びかけに対し「Bonjour」とこちらが返事をすると、声かけてきた人は立ち止まり呆然と自分を見続け、「こいつ・・・喋るぞ!」といった驚きと怪訝さが混ざった表情をしてくるケースが多々あります。ならなぜ呼びかけた。

 


現地では「中国人はフランス語がわからない」という認識があるため、フランス語を喋るアジア人に驚いているのかなと思い、その後に「Ça va ?」とこちらが会話を仕掛けても、返事をしようという意志さえ感じさせず、ただただ奇怪なものを見る目でこちらを凝視し続けながら歩みを再開しだします。ならなぜ呼びかけた。

 

 

 

他のケースとしては、上記とは逆にとても親しみを込めて(非常に馴れ馴れしく)呼びかけてくる人たちもいます。大概そういう人は金銭や物品目当てです。次の一言目には「お金ちょうだい。物ちょうだい。」と言ってきます。基本的には無視するか、適当にあしらえば済む話ではあるものの、彼らは決してジョーク的に言っているわけではないと思います。8割ガチです。

 


カメルーンでは「外国人=お金持ち」という認識が蔓延しており、外国人がいたら何は無くともとりあえずタカっとこう精神が往々にしてあります。道徳ってほんと大事。

 


そして、外国人(アジア人だから?)を軽視していて、おちょくるためだけに呼びかけてくる人もたまにいます。これはもう端的に言って差別です。

 


とはいえ、こうは書きましたが決して全体論で言いたいわけではなく、「そういった振る舞いは失礼だ」と考えているカメルーン人も勿論います。なのでそのような人たちは自分の心のオアシスとなります。

 

 

◾︎シノワ検知器

 

 

そして子供達のケース。特にちびっこ。

 


彼らは遠巻きからでもシノワをめざとく発見します。もうほんとシノワ検知器としては超優秀。

 


そして遠くの時点から、シノワ・ヒーホー警報を発令します。(ヒーホー警報の語呂の爽快感たるや)

 


だいたい子供達は複数で集まって遊んでいることが多いので、警報が発令されるとさながらカエルの合唱を聞いているかの如く、こちらに向かって鳴り止まないシノワとヒーホー。たまに舌ったらずな「シニョワ!」が聞こえてきたりもします。

 

 

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↑こんな彼らも最初はシノワ検知器でした。

 

 


最初の頃は子供達はコミュニケーションがとりたいのかも、と思い「Bonjour」と返事してましたが、やはり変なものを見たかのようにフリーズして、自分が通り過ぎたあとにまた後ろからシノワ・ヒーホーと呼んでくるパターンが多かったです。一体どうした。

 


そんなことが毎日で、しかも子供達は本当にどこにでも沢山いてキリがないため、最近は無視することもちょこちょこあります。

 


こちらが返事をしないと彼らは取り憑かれたかのように声の限りシノワ!ヒーホー!と叫び続けます。一体何が彼らを駆り立てるのか。

 


自分が「日本人だよ」と説明してもそもそも日本を知らない子も多いし、「挨拶するならボンジュールにして」といっても結局状況は変わらず、後日にはまたヒーホーの嵐。アジア人を見るとヒーホーしか言えない呪いにでもかかっているのでしょうか。

 

 

ちなみに中国人に対して、良い印象を持ってないカメルーン人は確かに少なくないです。

 


カメ人からは「彼らは意地悪だ」というコメントをよく聞きます。具体的な意地悪エピソードを聞いたことはありませんが。

 


自分的にはカメルーンで出会う中国人たちはフレンドリーで、今のところ意地悪な要素は感じません。寧ろ友好的で好印象です。

 

 

それどころか、彼らの中華食材屋さんのおかげで醤油などの日本で使ってたような調味料も手に入るので、非常にありがたい。

 


中国人は基本的に中国人同士で団体行動しているために現地の人とあまり交流がなく(と思われる)、余計にイメージが先行してしまっているといった感じでしょうか。

 

 

わかりませんが。

 

 

 

なんにせよ、初めて見るエイリアンには優しくありたいと思う今日この頃です。